ニコニコ太一通信
2020年08月
(2020.7.19)
もう少しで8月だというのに、あれこれ鬱陶しい出来事、日々が続きます。
コロナ、各地で相次ぐ豪雨災害、長雨、気温の寒暖差増、小地震の頻発、様変わりする生活様式、はては地球環境の大異変から、国の内外を問わず拡がる政治の混乱・混迷……
この先、いったいどうなってしまうのか……
そう思うと、心は落ち着きをなくし、そぞろに乱れ、いきおい体調もおかしくなりそうです。
でも…… でも……
こんなときだからこそ、日常的に、確固としたリズムを刻む生活習慣を確保し、心身を安定に導く身近な努力が求められるのでは、と思います!
幸い、私たちのサークル活動も、この7月から練習会場が使用可能となり、再開できました。
週2回、ウイルス対策をしっかりやりながらの活動ではありますが、かつての日常が少しずつではあれ、取り戻されてきているのは嬉しい限りです。
また、内容面でも、
・免疫力の強化
・体(調身)のみならず、息を調え(調息)、心を調える(調心)ことへのいっそうの配慮
といった点での新機軸もカリキュラムに取り入れ、適宜、始めつつあります。
これまで同様、みんなで一緒になって、日々の心身の健康づくりに笑顔で励んでいきたい、と思っていますので、よろしくお願いします。
もっとも、一部に、参加したくとも事情があって叶わないという方もいらっしゃいますが、そういう方には、ご不便をおかけし申し訳ありませんが、いま暫くの間、是非ご自宅のほうで、時間を確保し、定期的に練功していっていただければ幸いです。もし何かご要望があれば、ご遠慮なく、お申し出、ご相談ください。
《8月のスケジュール》
・8月のスケジュールは、以下のとおりです。
<月曜日> 3日(A)、17日(B)、24日(A)、31日(B)
<木曜日> 6日(B)、20日(A)、27日(B)
A選択科目:「やわらか気功」“フロア気功”もしくは“全身活性運動”
「元気気功」“ヨーガと季節功”
B選択科目:「やわらか気功」“峨眉伸展功”
「元気気功」“易筋経とお顔のリフレッシュ気功”
*8月10日(月)と13日(木)は、祝日、お盆休みのため、活動がありませんので、ご注意ください。
念のため、開始時間は、次のとおりです。
「やわらか気功」 13:00~
「元気気功」 14:20~
「気功太極拳」 15:40~
心身をよりリフレッシュし、健康・元気でいるために、できるだけ時間を確保し、奮ってご参加ください!
ミニミニコラム from Michi & Sum
◎十三式“瞑想”太極拳で、心と息、体を深く調える!
これもコロナ騒動後のサークルでの新しい試みの一つですが、これまでやってきた「十三式太極拳」に、あえて“瞑想”という言葉を加えて、今、「気功太極拳」コースで、やりつつあります。
人によっては、太極拳と瞑想とどう結びつくのかと、疑問に思われるかもしれませんが、実は、太極拳は、“動禅”という言葉もあるように、動きながらする坐禅(瞑想)であるともいわれます。何も、じっと坐って、精神統一し、無の境地に浸るだけが禅、瞑想のやり方ではないわけです。
瞑想と太極拳はよく似ている!
事実、最近は、“ヴィパッサナー瞑想”とか“マインドフルネス”といって、従来の、何かに“集中”してひたすら瞑想に打ち込む、というよりは、「今」の瞬間、瞬間に心身に生じる様々なありようを、ただあるがままに眺め、観察し、そこから物事の真の姿、自らの本質について気づきを得る、といった瞑想のやり方が注目を浴びています(何を隠そう、筆者も昔々、30年ほど前ですが、前職でマインドフルネスに関する翻訳書を手がけた経験があります)。
実は、この瞑想のやり方というのが、太極拳をゆっくり、ゆっくりとやるときのやりようと大変よく似ているのです。
たとえば、呼吸です。
ゆっくり、ゆっくりと動いていると、普段はあまり気にすることもない呼吸に意識が向かいます。これは、坐禅でいうところの数息観(すそくかん)という調心方法と重なっているようです。
さらに、そんなゆっくりとした呼吸に合わせて手足や胴体を動かしていると、これまた普段は見過ごしがちな体のちょっとした“違和感”に気づいたりもします。
動きにくい箇所とか、左側と右側の微妙な差異とか、呼吸あるいは目との同調性とか、体の上下の協調性とか、バランスの悪さとか……。ゆっくりであればゆっくりであるほど、これまで見えていなかったものがいろいろ観えるようになってきます。
それでも、慌てず、騒がず、ゆっくり、ゆっくりと、心身を呼吸に合わせ動かしていると、うれしいことに、そんな違和感もどうやら、いずれどこかに消え去るようです。
WHY?
自然に任せば、生命力が癒してくれる!
それは、多分、その違和感に意識が気づいたからでしょう。あれ、ここオカシイヨ、と思ったら、ジタバタせずとも、脳がそのことを賢くも認知し、生命力を回復しようと、自動調整してくれたのでは……。人には、そういう自然の治癒力、調整力が備わっているのだと思います。
それを慌てて力任せ、力ずくでやろうとすると、まずは碌なことにはならないでしょう。なぜって、そうやって力むと、交感神経がとたんに優位に傾き、心も乱れ、体に緊張を呼び込むことになりかねないからです。
そうではなくて、力みを取り去り、放鬆(ファンソン)して、自らの命の本質、自然治癒力に任せて、心身を深くリラックスする。そのことがとても大切なのではないかと思うのです。
そうしてゆっくり、ゆっくり、けっして無理せず、体をやさしく動かしていると、心身もだんだんと調うようになり、呼吸はますます深まり、副交感神経が優位になってきて、心もいっそう落ち着いて、頭の疲れもほぐれてくるようです。体を、力を抜いて伸びやかに運用することで、生命力も上がり、気(生命エネルギー)の流れも感じられるようになります。体の新陳代謝も活発になり、体全身が温まってくるのに気づきます。
筆者は、よく「極楽、極楽、温泉気分……」と言ったりするのですが、正に、いいこと尽くめです。
太極拳をしたあと、手や顔を眺めると、色艶がピンク色に輝き、血色がよくなっていることに気づかされますが、これも、その現われだと思います。
無理をしない、あれこれ余計なことを考えない
緊張を解くという点では、同じようなことは、やることの動作の数や複雑さについてもいえるでしょう。
あまりに動作が多く、内容も複雑、高度であると、やはりその分、心身の緊張度は増すでしょうから、同じ太極拳をやるのでも、武道家でもない限り、動作の数は少なく、簡単なほうが初心者をはじめフツーの人にはいいように思います。
幸い、今、サークルでやっている十三式太極拳は、数としては十三の式名があがっていますが、動作そのものは、たったの3種類(攬雀尾、龍回頭、退歩攬雀尾)でしかありません。その3種類の動作を主にしながら、東西南北(四正)とその対角(東南、西北など四隅)、中央にゆっくり歩くように動いていくだけです。
今はそれを、1回につき、従来に比べてさらに時間をゆっくりにし、十数分をかけてやるようにしています。
えっ、眠くならないか? ですって……
そういえば、太極拳をやっていると、よくそんなにユックリ動いていられますね、といわれることがあります。単調で、のんびりやっているように見えるから、その分、刺激も少なく、眠たくなるのではないか、と思われるようです。
でも、事実は、そんなことはありません。先に述べたように、静かに、静かに、呼吸のありように目を配り(自分から呼吸をどうこうしようとはしません)、手足の運びや体の細部がいまどうなっているか、協調性はどうか、といったことに関心を向け、動く方向、方位に注意を払い……、というように、観るところが絶え間なくあり、その、あるがままを観察することが連綿と続いていきますから、逆に、注意が他のことに向かいません。
余計なことを考える暇も、想念をあれこれ思い巡らせる余裕も、過ぎ去った過去や起きてもいない未来にあれこれ悩むこともありません。ただ今、ただ今、という感覚、観察が続くのみです。そうすると、いつしか脳も休まって、瞑想状態にどうやら近づいていくようです。それも疲れて眠るのではなく、頭はかえってクリアーな状態で……。
ですから、太極拳は“動功”だと思われている方も少なくないようですが、実は、“静功”なんですね。
そしてこのことは、サークルで他にやっている峨眉伸展功や峨眉少林易筋経でも基本的に同じですし、これからいずれやろうとしている月のヨーガでも似たような感じを受けています。
そんなこんなで、そうした太極拳の素晴らしさを、改めて感じている昨今です。(⌒-⌒)ニコニコ
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