ニコニコ太一通信
2020年09月
(2020.8.15)
ようやく梅雨が明けたと思ったら、今度は、猛暑続き。コロナに加え、このところ熱中症への対策も疎かにできません。
いきおい、感染症予防と暑さ対策を兼ねて、極力、外出を控え、ステイホームに努めるということになりがちかも……。しかし、これはこれで大きな問題を抱えています。
というのも、暑い、暑いとばかりに、冷房の効いた部屋にずっと居て、体を動かすことをせずにいると、体が本来もっているホメオスタシスという恒常性機能、つまり、生物が、環境変化にもかかわらず、生体を一定に保とうとする性質が損なわれてくる恐れがあるからです。
ホメオスタシスについては、既にこの4月初めに、「健康太一ミニコラム」のほうで結構詳しく書きました。
是非、是非、そちらをもう一度見ていただくとして、要は、
・体温は、免疫力が正常に働くキーポイントであり、低体温に傾くと、人は感染症にかかりやすくなります
・そのため、適度な運動を定期的に行ない、体温を適正に上げていくことが大切になります
・体温を適正値に置くことは、血流の促進とも関連し、それがひいては、ホルモン(内分泌系)の働きや、恒常性の維持に間断なく努める自律神経系の働きにも関係してきます
・体温が上がると汗をかき、それによって体温の上昇を抑えるのは、この自律神経系の働きであり、恒常性がそこにちゃんと機能しているからです
・しかし、じーっと動かずにいると、廃用性委縮といって、使用しない筋肉や内臓などの各器官は、次第にその機能が衰えていきます。恒常性も損なわれていってしまいます ……
ということで、前月の通信でも述べましたが、やはり人は、日常的に、確固としたリズムを刻む生活習慣を確保し、心身を安定に導く身近な努力が求められるのでは、と思います!
こまめに水分と塩分の補給をする、けっして過激な、無理な運動をしない、適度に休憩をはさむ、息を調え(調息)、心を安静にする(調心)、など安全・安心に気を配りながら、みなさんご一緒に、練功していきましょう。(⌒-⌒)ニコニコ
《9月のスケジュール》
・9月のスケジュールは、以下のとおりです。心身をよりリフレッシュし、健康・元気でいるために、できるだけ時間を確保し、奮ってご参加ください!
<月曜日> 7日(A)、14日(B)、21日(A)、28日(B)
<木曜日> 3日(A)、10日(B)、17日(A)、24日(B)
A選択科目:「やわらか気功」“フロア気功”もしくは“全身活性運動”
「元気気功」“ヨーガと季節功”
B選択科目:「やわらか気功」“峨眉伸展功”
「元気気功」“易筋経とお顔のリフレッシュ気功”
*9月21日(月)は、敬老の日の祝日にあたりますが、活動日としますので、ご参加ください。
念のため、開始時間は、次のとおりです。
「やわらか気功」 13:00~
「元気気功」 14:20~
「気功太極拳」 15:40~
ミニミニコラム from Michi & Sum
(アイコン画像は、Andrea Petra Puporka-Pixabayより)
◎十三式太極拳で“八弁の花”になる!?
十三式太極拳をすると、瞑想状態になりやすい、ということを前回はお話しました。
今回は、“花になる”? というお話です。
“花”というと、えっ、と驚かれるかもしれません。筆者自身も、へぇ~と驚いた今回の体験は、次のような経緯からでした。
初心に立ち返り、基本に忠実に……
前回述べたように、この十三式太極拳では、たった3種類の動作をもとに、東西南北(四正)とその対角(東南、西北など四隅)、中央にと、ゆっくり、ゆっくり歩くように、動いていきます。
その際、コロナ騒動があってからは、原点にいま一度立ち返り、もっと基本に忠実に、丁寧に、その動きをやっていこうと思いました。
なぜかというと、それによって、人が本来持っている免疫力、自然治癒力がより高まるのではないか、と思い至ったからです。
いわば、書でいうところの行書や草書ではなく、楷書体に近い形で、一点一画を疎かにせず、ゆっくりと、腰はむしろ比較的高い位置で心身に無理なく、といって、だらけるのではなく、細部にまで(心の)目をやりながら、初心の頃にもう一度立ち戻り、やっていこうと思ったのです。
ファンソン(放鬆、リラックス)できているか、立身中正か、呼吸と動きは無理なく調和しているか、体の中心・腰で動けているか、上下相随はどうか、左右のバランスは、用意不用力か、抜張(伸展)できているか……といった太極拳でよくいわれる基本的な要求に、ゆっくりと丁寧に向き合いながら、より忠実であろうとしたのです。
空間意識を養う……
さらに、この太極拳では、動くべき方位、方角がありますから、自分自身の位置取り、空間認識が大切になります。
そこで、背骨を基軸にして45度、90度、180度という体の回転、臍(人体の中心)の向きにも十分に注意し、中心の動作を開始した地点から、その地点にきっちり戻って終われるよう気を配りました。
また、手や体の動かし方も、人に7つあるとされるチャクラ(内分泌腺)の活性化につながることを意識して、微妙に変えてみました。
そうすると、まず感覚にのぼってきたのが、回転によるエネルギーのいっそうの高まりです。
回転とエネルギー
ネジを想像してもらったらいいと思うのですが、体を回転させるということは、エネルギーの流入、流出とも関係してくるのでしょう。
たとえば、若返りに効果があるということから大きな関心を集めたチベット体操では、第一のポーズで、立って、両手を肩の高さに広げ右回りに回転する、という動作があります。これによって宇宙からのエネルギーを体に取り入れ、チャクラを活性化させようとします。この回転の向きは必ず右向きでなければならないとされており、これは、ネジが右回りで前に進んでいくように、天から人を見て、右回りで宇宙のエネルギーを人に注入するような感じでしょうか。
もう随分以前に、このチベット体操のことを知人から聞き、これは面白そう! と多分におっちょこちょいな性癖のある筆者は、早速、21回、回転してみました。
21回まわると聞いたので、そのようにしたのですが、あとで聞くと、最初のうちは数回から始めて、徐々に回数を増すようにすべきということでした。でないと、眩暈がひどくなり、大変なことになる、ということでした。幸いにも、筆者の場合は結果オーライで済みましたが、振り返るといささか冷や汗ものの体験でした。
もう一つ、回転ということで思い出すのは、八卦掌です。独特の構えをとりながら、円周上を右回り、左回りしながら回る初歩の練習方法があるというのを聞きつけ、これも詳しいことは何も知らず、家の近くで適当にぐるぐる回っていると、段々回転速度があがり、そのうち頭がぼーっとなって、思わずしゃがみ込み、自分ではなく、まさに回る、回る世界が回る、という体験をしたことがありました。(-_-;)(-_-;)
まあ、そんなこともありましたが、考えてみれば、この回転、渦、というのは、小は原子から太陽系、銀河系、宇宙と、同じく相似形を描いて回転しているわけで、それはいわば大自然の原理的なありようといえるものなのかもしれません。
十三式太極拳のエネルギーを図にしたら……
そこで、ふと思いついて、十三式太極拳でやっている動きを図にしてみました。
いま練習しているのが、起勢で北を向き、左足を開いてから始める形式のもので、図にもあるように、360度分、左回転エネルギーが右回転に比べ、多いことがわかります。これは、その分、大地からのエネルギーの上昇が大きいということになるでしょうか。
では、これを同じく起勢で北を向き、右足を開いてから始めると、どうなるでしょうか。要するに、動きとしては東西を入れ替える形になります。
図からおわかりのように、こちらは、右回転エネルギーが360度分多く、それだけ天からのエネルギーの流れが優勢、ということになるのかもしれません。
右と左で差があるということですから、それならばと、今度は、まず左回転で動いたあとに、続けて右回転で動いてみました。すると、動作を終えたあとの感覚が、気のせいか、スッキリとし、透明な印象が残ります。これはもしかして、天からくるエネルギーと、大地からくるエネルギーが、陰陽相和し、調和して、バランスがとれた、ということなのでしょうか。
八弁の花
そこで、次に、発想を少し変え、八方向(東西南北とその対角の計八つ)に広がる図を描いてみました。
それが上の八弁図で、ここでは逐一、動きを辿る表示まではしていませんが、ちょうど一筆書きで、八弁の花の図ができあがることがわかります。さらに、陰が旺盛な左回転の八弁図と陽が旺盛な右回転の八弁図をペアとして、北の頂点から始めて辿っていき、重ね合わせることもできるでしょう。
あるいは、東西の入れ替えではなく、南北の入れ替えとか、起点を、45度ずつ移して動いてみるのも面白いかもしれません。そうすると空間意識が高まり、方角による感覚の違いなど、新たな発見があるやもしれません。
また、花弁の奥を見ると、45度分角度をずらした八弁の花がそこにもあり、まるで回転しながら広がっていく(あるいはその逆の)ような動きを感じることもできましょう。
ちなみに、秋の風物詩コスモス。この花は舌状花が一般に八つあるとされ、学名のcosmosは、ギリシャ語の「宇宙」が語源で、ラテン語では、星座の世界=秩序をもつ完結した世界体系としての宇宙をいい表わす言葉だそうです(ウィキペディアより)。
大自然の摂理と次元上昇
(いまやろうとしている十三式瞑想太極拳とは些か趣きが違うところもありますが)、数年前に、十三式太極拳の動画を、You Tubeにアップしました。
このとき、なぜ十三勢が太極拳の原点として重要であるかについて、拙い文章にして字幕にのせました。
ここでもう一回、その要点を抜き書きすると、
―― 「十三」といっているのは、套路の数ではなく、十三の「勢」(形勢)のことを言っています。そして、この十三勢がわかれば、物事の成り立ち、自然の理法がわかる! ということなのだと思います。
易経という古い経典の中に「易に太極あり、これ両義を生ず。両義、四象を生じ、四象、八卦を生ず」というのがあります。
要するに、始源なるものが陰、陽に分かれ、それが次々に変化の道筋を辿って、いま現在の様相(形勢)がある、ということで、物事は生成流転して極まりがないが、元を逆に辿れば、太極の一点(太一)になる、ということなのだと思います。 ――
ところで、これに関連して、最近たまたま読んだ本に、森井啓二さんの『君が代』という本があります。この本の中に、
――「八には無限性と循環∞も意味することから宇宙のすべての領域をも表し、また人の在り方から進化、宇宙の本質が無限無形であることや、一から八までの世界が循環していることなどを示しています」
「数字の8を見ても明らかなように二重性の象徴でもあり、「エネルギーと物質」「天と地」「神と人」など二元性の世界の視点から見て相対する二つのものが同時に含まれます」
「そして八には開くという意味もあり、〇九十(まこと)の世界へ次元上昇するための入り口でもあります」
「一から八までは循環し、次元が上昇する時期に初めて九へと進めます」 ――
といった言葉があるのに出くわしました。
なにやら太極拳の原典ともされる書『太極拳論』や『十三勢歌』などを後世に遺してくれた王宗学老師のいわれようとしたことと、内容がどこか符合するようでもあり、また個人的にも、今回の作図の件と合わせてみると、なかなかに印象深いものがあります。
いずれにしても、この十三式太極拳には、大自然の摂理を尊び、大自然と一体化する方法論を内在するものがあるといえるのかもしれません。
また、チャクラを活性化し、人間進化の次元をさらに上げる方法論も併せ持っているともいえるのかも……。
そんなこんなで、改めて、太極拳の魅力、素晴らしさを感じながら、ぼちぼちと煉功している今日この頃です。(⌒-⌒)ニコニコ
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――2020年1月峨眉珍蔵少林達磨易筋経の特別講座より
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