深い呼吸の効用

渦巻き金見出しボタン  深い呼吸の効用

深い呼吸の効用

いいイキ、してますか

深い呼吸が心と体を柔らかくする

気功がもつ方法論の素晴らしさ

「気功とは」の項で、体と、心と、呼吸を調(ととの)えることの大切さを申し上げました。
人間、息をしなければご臨終であるわけですから、呼吸の大切さは、いまさら改まって言うまでもありません。

⇒ 気功とは

でも、その“質”はどうでしょうか。いいイキ、できてるでしょうか。自信は、おありですか?

一般にふつうの人がする呼吸は、1分間に12~20回。1日に2万回ほどといわれています。
そんなに沢山する呼吸なのですが、肺の容積を目一杯に使っているかというと、そんなことはなく、横隔膜をほんのわずか動かしただけの浅い呼吸で終始することが多いようです。

これでは、酸素の取り込みも二酸化炭素の排出も不十分となりがちですから、体の活性化にはあまりつながりません。

そこで深い呼吸をしようと胸郭を広げて呼吸の出入りを増やそうとするのですが、この胸式呼吸でも、肺の機能をフル活用するところまではなかなかいきません。

そこでよくいわれるのが、「腹式呼吸」です。

この、お腹を使ってする呼吸法が身につけば、横隔膜をしっかりと上下するばかりか、胸郭の活用にもつながりますから、当然息は深くなり、体が活性化してきます。のみならず、内臓をマッサージして新陳代謝を促し、血流等の循環をよくしてくれますから、その分、心臓の負担軽減にもつながります。

それだけではありません。深い呼吸は副交感神経を優位にしてくれますから、心身をリラックスさせてくれます。緊張(交感神経優位)は体を固くしますが、深い呼吸は体を柔らかくしてくれるのです。

このように腹式呼吸による深い呼吸は、さまざまな効用を人に与えてくれますが、人によっては、「腹式呼吸がうまくできないんです」という方も少なからずいらっしゃいます。

さらには、「順腹式呼吸はできるんですが、逆腹式呼吸がむずかしいです」という方もいます。

順腹式呼吸というのは、息を吸うときにお腹が膨れ、吐くときに凹むやり方です。逆腹式呼吸は息を吐くときにお腹が膨れ、吸うときにお腹が凹みます。武術などでは、逆腹式呼吸が主体となります。

でも、私の経験からいいますと、あまり呼吸のしかたの細かなことに囚われるよりも、ゆっくりとした流れの中で手足や体を動かし、そこに呼吸を合わせていくと、次第に呼吸は深く、長くなり、順腹式も逆腹式も自然に身についていくものだと思っています。

気功が本当に素晴らしいと感じるのは、カラダと呼吸と心を一体のものとして調整していく、その方法論をしっかりと内包していることです。

呼吸は呼吸だけで、分離されてあるものでは、けっしてないのです。

⇒ ひとつながりの心と体