なぜ力を抜くのが大切なの?
脱力は、偏りのない心と体の基盤なんです!
過度の緊張が心と体のコワバリを生む
いつも、楽な体、楽な呼吸、楽な心でいるために
ある日のサークル活動でのこと……
両手をお腹の前に上げてもらい、それを下から支えるようにします。
「力を抜いてください」
「エッ、抜いてますけど…???」
支えていた手をはずしたにもかかわらず、両手は同じ位置に浮いたまま。
怪訝な表情で、反問される方は、残念ながら、脱力がどんなものか、つかめていません。
もし力が抜けているのなら、支えの手がはずれた瞬間、両手はストン、と落下するはずなのですが……
多くの人にとって、力を抜く、というのは、本当にむずかしいことのようです。それだけ現代人にとって日々の生活は、緊張に満ちたものなのでしょう。
あれもしよう、これもしよう。ああもしなければ、こうもしなければ……。朝から晩まで、緊張のしっ放しで、気の休まるときがありません。交感神経が異常に亢進して、習い性になってしまっています。
イエ、別に緊張することが悪い、といっているわけではありません。
緊張すべき時は緊張する。それはとても大切なことです。
でも、緊張を解くべき時には解かなければなりません。副交感神経を優位にし、ホッとする時間をもたなければならないのです。問題は、その緊張と弛緩のバランスがとれないこと。緊張しまくっているにもかかわらず、そのことがわかっていない! ことなのです。
「ニコニコ太一気功」では、ですから、脱力ということを非常に大切にします。
なぜなのか――。緊張は、多く、体と心を縛り、偏りをもたらすからです。
筋肉の緊張は、体を固くこわばらせます。固くこわばったままで弛まない筋肉は、体の骨格を歪めるもととなるばかりか、筋肉疲労から筋力低下を起こし、機能の劣化へとつながる可能性があります。
同様に、心の緊張は、柔軟な思考を妨げ、見方の幅を狭め、考えや行動の自由を奪いがちです。そればかりか、体を固くし、呼吸すらも困難にしてしまうことさえあります。
また、体や心の固さは、体内循環を悪くする原因ともなります。
不必要な緊張を解いて、楽な体、楽な呼吸、楽な心になれれば、どんなにかいいことでしょう! どんなにか生きやすくなることでしょう! どんなにか、自分のもてる能力の発揮につながることでしょう!
「ニコニコ太一気功」が求めている脱力とは、そんな脱力です。