無意識の緊張を解きほぐすには
無意識を意識下で照らすことがとても大切です!
体に潜む緊張に目を向ける
ゆっくりと、力を抜いてモニターする
以前、足が冷えて困る、という女性の方がいらっしゃいました。
足に触れると確かに冷たく、肩も結構、張っていました。
「肩こりは辛くありませんか」
と尋ねると、「肩、そんなに凝ってますか」という返事。どうやら、本人はもう一つそのことをよく自覚していないようでした。
簡単な見立てでは、鎖骨と第一肋骨の間がかなり詰まっていて、静脈血の戻りが悪いように見受けられました。そこで、静脈血が心臓に戻る要所である鎖骨と第一肋骨の間を開くように数分間、軽く指を押し当てておいたところ、「なにか足が温かくなってきました。肩も楽です」とのこと。結局、それだけのことで血流が改善され、具合がよくなったようでした。
この例のように、本人は必ずしも自覚していないちょっとした緊張が、体の不具合の元となるのは案外、ありがちなことです。
例えば、楽に立ったときのあなたの姿勢の特徴はどんなものでしょうか。
- 左右の肩の高さに違いはありませんか?
- どちらかが前後に振れているということはないでしょうか?
- 頭の傾きはどうでしょう?
- 左右の手の長さに違いはありませんか?
- 手の甲の向きは?
- 体重は足のどちらにかかっていますか?
- 骨盤の高さはどうですか?
- 膝や足先の向きは? ……
たとえ意識していなくとも、こうした体の特徴は、あなたの体に潜む緊張を物語るものです。
問題は、そうした緊張が習慣化してしまって、もはや緊張とも感じなくなってしまっていることです。何か変だと感じることができさえすれば、それを正すことは可能です。
でも、変だとも感じなくなってしまえば、それを正常化することはなかなか大変です。
そんな無意識下の緊張を解きほぐすには、どのようにすればいいのでしょうか。
一つの方法は、自分自身の体をよくモニターして、特徴を知り、なぜそうなっているのかを探ることです。
また、体を小さく動かして、自分自身の体に何か違和感がないかを感じとることです。
別の項でも述べたように、ゆっくりと、力を抜いてすることで、これまで見過ごしてきたことが、感覚として捉えられはじめます。地球の重力に抗して立つ最小限の筋力を除いて楽に立つ感覚が掴めるようになれば、そうでないときの違和感が認識できるようになります。
実は、気功は、そのための格好の方法となるものなのです。
⇒ 深い呼吸の効用